ビジョンゼロ・サミットの中心となる 「Wellbeing」と「安心」

ビジョンゼロ・サミットの中心となる 「Wellbeing」と「安心」

大切なことは、Vision Zeroのコンセプトが、従来の安全と健康の2つの側面にWellbeingを加えられていることです。本サミットで職場におけるウェルビーイングが重点分野の1つとして取り上げられ、また人間工学、国連のSDGs、建設業、製造業、標準化、COVID-19の流行などと関連させて取り上げられることは驚くことではありません。

日本でのWellbeingの位置づけを、一般社団法人 セーフティグローバル推進機構の理事で、ビジョンゼロ・サミット・ジャパン 組織委員会1(JOC1)の委員長を務める藤田俊弘氏に伺いました。

「Wellbeing」という言葉は、意味にぴったり合う日本語は存在しませんので、そのままの形で使われており、日本でも徐々の日常語になりつつあります。近年、国連のSDGsへの関心の高まりもあり、健康、食、ビジネス・経営、建設、製造など、さまざまな分野・業種でWellbeingが注目されております。

職場におけるWellbeingについてですが、日本では以前から、ウェルビーイングの概念に最も合致する職場の「安心・安全」を確保することに取り組んできました。安全であることは客観的であり、安心であることは主観的であります。職場でこの2つを確保することが最優先であり、従来は労働者自身によってボトムアップで進めてられてきました。しかし近年、2017年にISSAがVision Zeroキャンペーンを開始してから、日本のビジネス界では、トップマネジメントが労働者のWellbeingのために強いイニシアティブを取ることの重要性が認識され始めています。