[主催者からのご挨拶]

Professor Dr. Masao Mukaidono

Professor Dr. Masao Mukaidono

向殿政男(工学博士)

日本

・明治大学名誉教授
・ビジョンゼロ・サミット・ジャパン組織委員会 委員長
・セーフティグローバル推進機構 (IGSAP) 会長
・公益財団法人 鉄道総合技術研究所 会長

 

第2回ビジョンゼロ・サミットが2022年に日本で開催されることをここに宣言をいたしますことは大変光栄であり、誇りに思います。

ビジョンゼロという活動は、グローバルにおける企業や団体と共に、国境を越えて手に手を取り合い取り組むことで企業経営者によって労働における事故の撲滅、そして、労働者の安全・健康・ウェルビーイングの推進を目的としています。
では、日本でビジョンゼロ・サミットを開催する意義とは?

まず初めに、私も参加をいたしました、第1回Vision Zeroサミットはフィンランドで開催され、その際に日本がフィンランドからバトンを受け取り、ビジョンゼロ活動の発展に貢献をしていくことになっている、ということをお伝えいたします。

そして、我々日本にとりましては、ビジョンゼロ・サミットを開催することは大変意義深いものであります。
日本では1973年に「ゼロ災キャンペーン」が発足し、活動を続けており、現場では成果をあげていますが、実際のところ、企業経営層の積極的な介入によるビジョンゼロ活動への参画が日本ではまだごく少数であります。今回のサミットが日本企業の皆様にとって、ビジョンゼロの重要性を理解するための機会となり、今後関連の活動により多くの企業参加が参加されることを期待しています。現在、日本の現場で見られるボトムアップ方式とビジョンゼロ活動におけるトップダウン方式が相互にリンクし合い、うまく機能し始めるきっかけとなることを願っています。

特に、日本が世界へ向け発信し続ける「協調安全」という概念は、ロボット、AI、そしてモビリティとされるテクノロジーと共に現場で用いられてきました。この概念により、テクノロジーがビジョンゼロ活動に何らかの影響を及ぼしながら、労働安全衛生(OSH)との融合が成立しています。また、ビジョンゼロ・サミット・ジャパン2022では、ウェルビーイングがこれまでにおいても「職場マネジメントの価値を測る重要な要素である」ということからも、SDGsの目標視点においても「安全・健康・ウェルビーイング」は評価されることでしょう。世界中にいる労働者のためのウェルビーイングを目指しながら、SDGsに貢献する企業の皆様がそれを示す機会でもあります。

COVID-19により、ビジョンゼロ・サミット・ジャパン2022は関連するすべての方々のご協力のもと、オンラインイベントとして開催されます。
その模様は、オンデマンドという形式でも配信されることからも、より場所や時間を問わず、世界中から参加ができるようになっています。ニューノーマル時代に向け、このサミットの素晴らしさを皆様にお届けしていきたいとともに、貴重な機会として捉えたいと思っています。
このオンラインイベントを通じ、さまざまな分野にいらっしゃる方々が世界中の労働者のために「安全・健康・ウェルビーイング」について
積極的に語り合う、真のグローバルな場となることを心より願っております。